あなたは、片手と両足の完全麻痺という私と全く同じ共通点を持ちながら、その情熱と決して揺るぐ事のない信念で、今日の私達に数え切れないほどの素晴らしいベアを残してくれました。これは、今やあなたの故郷であるドイツだけにとどまらず、アメリカやイギリスなど国境を越え世界中の幼い子供から老人までに愛され続けるテディベア文化になりました。
  あなたは家族や多くの人々に支援されつつ、何か壁に打ちあたると、「必ずやり遂げるわ!」と宣言し、並はずれた努力と工夫で乗り越えたそうですね。ギンゲンの町で初めてのミシンを自分の力で購入し、操作をする上でのハンディを補うため、「だったら反対側から縫う!」と言い放って、何事にも挑戦し続けたあなたは何処まで前向きだったのでしょう。
  ドイツの楽器であるツィターを友人と呼び、弾き語りやおしゃべりが大好きだったあなたは、30才で女性経営者となり、尊敬を込めて仲間たちから「ミス・グレーテル」と呼ばれていました。

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